中小坂鉄山の鉱床が国内にこれまでにないタイプの鉱床であることがわかりました
下仁田ジオパークのジオサイトの一つ中小坂鉄山の鉄鉱床がこれまで日本にないタイプの鉱床であることが、成蹊学園サステナビリティ教育研究センター副所長 宮下敦教授らの研究によりわかりました。 本研究は、令和元年度の下仁田ジオパーク学術奨励金を利用して研究が行われました。 |
中小坂鉄山坑道跡 |
〇研究概要について
宮下教授らは令和元年度から中小坂鉄山の地質調査とその岩石の化学分析に取り組みました。その結果、中小坂鉄山の鉱床は、従来の日本にある鉄鉱床とは異なる酸化鉄-燐灰石型鉱床(IOA型鉱床)であることを突き止め、資源地質学会の学術誌『資源地質*』に論文掲載しました。
IOA型鉱床は、スゥェーデンのKiruna鉱床、チリのEl Laco鉱床に知られており、日本では初めての報告例となります。
掲載論文
宮下敦・村上浩康・力田正一・市川孝(2024)日本における酸化鉄―燐灰石型(IOA、Kiruna型)鉱床の発見-群馬県下仁田ジオパーク・中小坂鉄山の磁鉄鉱鉱床-.資源地質74巻1号, 25-36.
〇中小坂鉄山について
中小坂鉄山は、たたら製鉄(砂鉄を使った鉄づくり)から磁鉄鉱を使った鉄づくりへの過渡期に先駆けとして明治初期に官営として作られた製鉄所です。日本の近代製鉄の歴史を探る重要な意義があることから下仁田町指定の文化財になっています。
〇下仁田ジオパーク学術奨励金事業について
下仁田ジオパークでは、自然や歴史など地域資源の価値を深めてくれる外部研究者に対する支援を平成29年度から実施しています。
詳しくはコチラ
中小坂鉄山は、下仁田町の指定文化財になっており、許可なく岩石の採取は禁じられています。
また中小坂鉄山ではヤマビルが大量発生しております。見学の際は対策をお願いします。
問い合わせ先
下仁田町自然史館
TEL:0274-70-3070
外部リンク:成蹊学園 ニュース
下仁田町自然史館
TEL:0274-70-3070